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自律神経失調症

自律神経失調症とは

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れることで起こる、さまざまな症状を総称したものです。

具体的な症状としては、だるい、眠れないなどの全身症状と、頭痛、動悸、息切れなどの部分的な症状が、精神的な症状としては情緒不安定、いらいら、不安感などがあります。これらの症状があるにもかかわらず、身体に医学的異常所見がなく、明らかな精神疾患もない場合に、自律神経失調症と暫定的に診断されることがあります。

こうした背景により、自律神経失調症は誰にでも発症する可能性がありますが、不規則な生活やストレス、ホルモンの乱れなどが原因になることから、不規則な生活を送っている人やストレスを感じやすい人、更年期でホルモンバランスが乱れやすい人などに起こりやすいと考えられています。

自律神経失調症は自律神経の乱れによって引き起こされると考えられていますが、実際に自律神経の働きを正確に調べる必要はありません。そのため、症状から疑われる病気に関係する検査を行っても特に異常が見つからず、ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れといった自律神経失調症を引き起こしやすい特徴が見られる場合に、この病気が疑われることがあります。

自律神経機能検査による確定診断は必要とされていません。

自律神経失調症の症状と治療

自律神経失調症の症状はさまざまで、人によって現れやすい症状が異なります。よく見られるのは以下の通りです。

倦怠感、疲労感、熱っぽい感じ、手足のしびれ、動悸、息切れ、めまい、頭痛、不眠

寝汗、食欲不振、胃痛、吐き気、肩こり、背中の痛み、腰痛、腹痛、下痢、便秘などです。

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れによって引き起こされるため、これらを改善することで自然と良くなることがあります。

また、症状を改善したり、不安やストレスを軽減したりするための治療薬を使うこともあります。

1.ストレスのコントロールと生活習慣の改善

ストレスを解消し生活習慣を整えることは、自律神経失調症を改善する最も重要な行動です。

これらを心掛けるだけでも不快な症状が大きく改善することもあります。

散歩や体操、入浴などの気軽にできるストレス解消法から始めてみて、自分がリラックスできる楽しい、心地よいと思えるような時間を意識的に設けたり、趣味を持ったりすることでストレスをコントロールできることがあります。

積極的に交友関係を広げることも効果的です。

また、自律訓練法やマインドフルネスが有効な場合も少なくありません。

2.生活習慣の改善

睡眠不足や運動不足は自律神経やホルモンバランスの乱れに繋がるため、身体の不調を引き起こしやすくなります。

規則的な睡眠と食事、適度な運動を心がけることが重要です。

自律神経失調症に対する中医学の認識

中医学では、自律神経失調症は気血・陰陽のアンバランスによるもの、しかもまだ実質的な臓器損傷のない状態であります。

このようなアンバランスは必然的に気血陰陽の偏盛・偏衰によって引き起こされます。

中医理論には「気は血の師、血は気の母」という言葉があります。

気は血を運行される動力であり、気が血中に存在しなければ、正常な血行を保てなくなります。

正常な生理状態下では、気血が調和し陰陽は相対的にバランスの取れた状態にあります。

気血不和となり陰陽のバランスが崩れると疾病が生じます。

 

自律神経の病院は主に以下の数種類があります。

 

  1. 先天稟賦不足

  2. もとより脾胃虚弱

  3. 慢性病、持病が長く続いて気陰を消耗されます

  4. 中高年の方々、臓腑虚損による気血陰陽の不足など

また、中医学では七情と呼ばれてる「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」の感情が過度に動くと、五臓を傷めると考えられています。

イライラや激しい怒り、思い通りにならない不満などは、自律神経を司る肝の働きを乱れさせ、精神活動、気の運行、消化活動の調節に影響を及ぼします。

強いストレスで食欲に異常が出たり、便秘や下痢になったりするのはそのためです。

東洋一心堂漢方薬局での弁証論治

【肝腎陰陽不足、虚火と炎】

■ 症状

頭痛、眩暈、四肢の冷え、頻尿、陽萎、早漏、生理不順、のぼせ、ほてり。

■ 治法

温腎陽、補腎精、瀉腎火、調理衝任

■ 処方

二仙湯加減
(仙茅・仙霊脾・黄柏・知母・当帰・巴戟天・菟糸子・肉蓯蓉、桃仁、紅花、合歓皮など)

【肝鬱化火】

※ストレスなどの精神刺激により熱が生じている。

■ 症状

イライラしやすい、情緒不安定、手足の冷え、頭痛、目の充血など。

■ 治法

疏肝解鬱、精熱安神

■ 処方

加味逍遥散川芎地黄、竜骨、牡蠣、黄連など

【痰熱内擾】

※余分な水分と熱が体内に停滞することで、精神不安になりやすい状態である。

■ 症状

寝つきが悪く夢をよく見る、不安感、胃やみぞおちのつかえ(脘腹脹満)、痰が多い、頭重、咳。

■ 治法

清熱化痰、健脾除湿

■ 処方

竹茹温胆湯加減
(竹茹、半夏、陳皮、茯苓、甘草、枳実、括楼、黄芩、胆南星、貝母など)

【心脾両虚】

※疲労や貧血などで体に必要な気や血が不足している状態である。

■ 症状

不眠、動悸、物忘れ、疲労感、めまい、食欲不振、冷え、顔色萎黄、唇甲色淡。

■ 治法

健脾益気、養血安神

■ 処方

帰脾湯加減
(白朮、人参、黄耆、当帰、茯神、甘草、遠志、散棗仁、木香、竜眼肉、大棗、生姜など)

【心腎不交】

※加齢や心労、過労により身体の陰分(体液)が不足しており相対的に熱が強くなっている状態である。

■ 症状

動悸、のぼせ、耳鳴、物忘れ、足腰がだるい、手足のほてり、不眠、口渇きやすい、口内炎など。

■ 治法

滋陰清熱、養心安神

■ 処方

天王補心丹加黄連阿膠湯加減
(柏子仁、酸棗仁、天門冬、麦門冬、地黄、当帰、丹参、桔梗、五味子、遠志、茯苓、黄連、阿膠など)

【肝腎陰虚】

■ 症状

眩暈、耳鳴、面紅目赤・潮熱盗汗、失眠健忘、腰膝がだるい、大便秘結。

■ 治法

滋陰益腎、養肝清熱

■ 処方

参耆麦味地黄湯加減
(人参、黄耆、麦門冬、五味子、地黄、山薬、山茱萸、丹皮、沢瀉、茯苓、芍薬、木瓜など)

【脾腎陽虚】

■ 症状

面色晄白、肢体畏寒、食少納呆、尿頻失禁、久泄滑脱、眩暈、心悸、腹痛消瘦。

■ 治法

健脾益腎、温陽和中

■ 処方

金匱腎気丸合四神丸
(熟地黄、山薬、山茱萸、桂皮、炮附子、牡丹皮、沢瀉、茯苓、破故紙、呉茱萸、肉豆蔲など)

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非常に多様な症状が現れた自律神経失調症であっても、体質的には少数の根本的な原因から始まっていることが多いので、ポイントをとらえて漢方薬、鍼灸、気功導引法などを通じて治療を進めましょう。

また中医学は古来より心身一如のもと、心身両面から治療することで症状の改善を図っていきます。自律神経失調症で悩まれている方々は、是非当局の漢方を試してみて下さい。

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